23章:自覚

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 修が微笑んだ気配がして、私の背に腕が回される。 「くるみは暖かいな」 「修は冷たいね」 「まだシャワー浴びてないから臭うだろ」 「大丈夫。修の匂い、好き」  私は呟いて、顔を修の胸にうずめた。  修の大きな心臓の音が聞こえる。  好きだな、心配、愛おしい、苦しい……そんな一つの言葉に絞れない感情があふれてくる。 (ただ抱きしめてるだけなのに、泣きそう……)  修は私の頬を撫でる。 「キスさせて。ほら、少し顔上げろ」
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