やめて欲しい

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「俺は狡いから、彼女が出来ても、お前と付き合えなくても、 お前の気持ちは手離したくなかったけど」 「けど…、なんですか?」 心臓の鼓動が速くなって行く――… 成瀬のこの先の言葉を聞くのが怖い 「だから、あの時はそう訊かれて答えらんなかった。 無言を肯定と捉えてくれたらいいか、と思った。 そんな狡い本音は言えなくて」 「はい。 でも、それは分かりますよ。 私も実際、自分に彼氏が居た時は成瀬さんに対して同じような事を思っていたし。 だから、狡くてもそれは私は構わないですし、それを非難したり――」 「そうじゃなくて」 遮るようにそう言われ、 車内が静まる
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