私と君の道

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私と君は同じ道を歩いていると思っていた。 君と付き合っている5年間、ずっとそう思っていた。 強気な女性の私と弱気で臆病な男性の君が調和していると思っていた。 でも、そう思っていたのは私だけだった。 数時間前、映画館に行った帰りの道で、君は告白した。 降り止まない雨の中で、その言葉が私の胸に浸透して心を激しく震わした。 「別れよう」 冗談で言っているわけではないのは、瞳を見て分かった。 確固たる信念を持った面持ちの君に対して、私は言葉に詰まった。
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