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私が初めて変身したのは、十一歳の誕生日だった。
誕生日プレゼントの代わりに白い毛ダルマから贈られたペンダントを片手に、魔法少女になった夜のことは、今でも覚えている。
あれから20年の歳月が流れた。
とっくに魔法少女なんてものからは足を洗った私は、職を転々とする日々を送っている。
青春を投げ打って、魔獣とかいうよくわからない敵と死闘を繰り広げ、たぶん世界を何回か救った結果がこれかと思うと、涙が出そうになる。
知り合いの九割は充実した結婚生活と安定した職場を手に入れ、残りの一割は音信不通。
私が一割に吸収される日も近い。
派遣の仕事で絞り切った雑巾のように疲れ果てた体を引きずって帰宅、1Kのアパートで泥のように眠る。
そんな虚しい毎日を変えたのは、一本の電話だった。
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