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孤独の炎
ひっそりひっそり揺らいでる。
ただただ自分を犠牲にして、その命を削って。
小さいけれど、辺りは明るい。
大きければ、明るいわけでもない。
二度と同じ炎の形は作れない。
きれいに燃え上がっても、再現はできない。
似せた炎は偽ている炎。
ある炎は、誰にも見られることなく。
ある炎は、誰かに見られたくて。
自分の炎は、自分では見ることはできない。
遠くで、誰かがひっそり見ている。
ちらつく火の粉や漂う煙が目印。
どこかで、それを囲うように集う。
遠くでまとまって燃え上がる明るい炎が眩しい。
それでも炎は、孤独。
その炎にはなれないから。
ただ、自分から燃えている炎だけは、重なり合う。
分けることができるし、分けてもらうこともできる。
その孤独の炎は、燃えるようにあたたかい。
自分にしかない幸せで燃えている孤独の炎は、たったひとつしかない。
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