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 まただ。  また、女の子にふられた。  歩きながら、ルイはため息をつく。部活を終えた夕暮れどき、幹線道路沿いの歩道をゆく。 「あたし、ルイくんみたいな子、タイプなんだ」  つき合うきっかけは、決まって、向こうからだった。そして、一度目のデートで、必ずこう言われる。 「なんか、見た目のイメージと、話した感じが違うっていうか」  一体、それはどういう意味なのか。  ルイは、特段にハンサムでもない。丸顔で、体型のわりにふっくらして見える。それがコンプレックスでもある。  だからといって、問い詰めるのも、ヤボな気がしていた。見た目に関しては、向こうもわかった上でだろうし、ルイにも身に覚えがある。  相手はかわいかった。それに、断わる理由もなかったから、とりあえずでつき合ってみた。  特別な思い入れは、はなからない。だから、ふられても、傷つくことはないのだ。ほんのちょっと、男の自尊心が欠けたくらいだ。  見慣れたコンビニの看板を、きょうも確認する。  寄らずにこのまま帰ろう。  そう思ったところで、ふと浮かんだ  いままでの女の子たちは、グイグイくるのが大体だった。次は、自分で、控えめな子にアタックしてみようか。  たとえば、出会いは、少女マンガのように。いま横切っている駐車場を出た辺りで、あっちから急いでやってきた女の子と鉢合わせに──。  そんなこんなを頭に描きつつ、小路へ入ったときだった。
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