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「でもそんな感じでもトキメキ欲しいんだ?」
そう。あなたとのトキメキがオレは欲しいだけ。
「まぁだからといって誰でもいいってワケでもないから」
きっとこの人は自分がそう思われてる相手だなんて思ってもいないんだろうな。
オレはずっとただ一人この人のことだけを想って、オレなりのまずはジャブ的なアピールをしているのに。
「じゃあ、そんなあなたにトキメキもらえる相手は幸せモノだ」
そう思ってくれるなら、あなたがその相手になってよ。
オレがあなたをトキメかせて幸せにしたい。
思ったより彼女の悪くない反応にどんどん期待し始めてしまう。
そして彼女への気持ちが止まらなくなり始めてるのが自分で感じる。
「なら試してみる・・・?」
気付けばそう口走っていた。
オレの理想と願望が、つい気持ちのまま暴走して漏れ出た瞬間だった。
もしオレにその可能性があるなら、どうしてもそのチャンスが欲しくて。
オレのことを好きになってほしいだなんて言わないから。
一度試してくれるのなら。
彼女をそんな気持ちにさせることが出来るなら。
ただのお試しでもいい。
一度だっていい、オレを意識してほしい。
彼女にもっとオレという存在を知ってほしい。
「なるほど。こうやってドキッとさせるワケね」
だけど、彼女はやっぱり大人で。
オレを軽くあしらう。
「ドキッとしてくれたんだ」
彼女があんな一言を言っただけでもドキッとしてくれたというその言葉が嬉しくて。
少しでもオレがそんな対象になれるのだと自信が出る。
「まさか自分がそんな不意打ちに言われるなんて思ってなかったし。でも確かにこういう感じだよね。うん、久々味わえたこういうの」
それはただその言葉が久々だからドキッとしたのか。
それともオレだからそう感じてくれたのか。
どうしても知りたい。
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