1.突然の始まり

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「ねー!そろそろこっち戻って来てよー!」 すると、いいタイミングで奥のパーティー仲間の女が声をかけにくる。 クソッ。いいとこだったのに! 「あぁ。わかった。すぐ戻る」 でもここまで約束取りつけたならオレ的には大躍進。 彼女に自然に近付く土台は用意出来た。 あまりしつこくアピールしても、まだ気持ちが前向きでない彼女にはきっと逆効果だから。 この辺でこれくらいのアピールをして去る方が印象に残れるかな。 「じゃあ、もし次会えたらその時はその新しい恋愛のカタチ一緒に試すってことで」 そして去り際に彼女がオレと会った時にそのことを忘れないように念押ししておく。 「えっ、あぁ、いつかもしまた会えたらね」 そんなオレに少し戸惑っているようにも見えるけど、でも同じようにいつかの約束を受け入れてくれた。 きっと彼女はそんな簡単に誘いに乗らないことはわかっていた。 大人な女性で、きっと男性にも困ってるワケではないとは思うけど、でもオレに限らず彼女はそんな簡単に誰かとの恋愛を始めようとはきっとしない。 きっと恋愛に対しても真剣な彼女だから。 きっとなかなか恋愛に今は踏み込めないはずだから。 オレは焦らず少しずつ彼女の気持ちにそっと寄り添っていくしかない。 だけど、いざ彼女を近くにしたら、オレの暴走は止まらなくなるかもしれないけど。 でもきっとあの日オレの人生と運命を変えてくれた彼女は。 オレにとってもきっと彼女にとっても、その出会いが運命なんだと思うから。 彼女に出会って、こんなにも本気になれたこの気持ち。 オレは信じてるから。
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