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2.待ちに待った再会
「修さん。あれから、あの人この店って来ました?」
「ん?透子ちゃん? いや、なんか最近仕事忙しいみたいでさ。あれから全然来てないわ」
「そうッスか・・」
修さんの店で彼女に勝手な約束を取りつけてから数週間。
まだ今も彼女に二回目の再会は出来ていない。
オレはこうやってあれからもちょくちょくこの店に来てはいるけど、彼女に会えないのはそういうことか。
「え、それってオレ避けてたりしないですよね?」
一瞬冷静になって避けられてたらと不安になって、つい修さんに確認。
「何?お前、らしくもなく不安になってんの?」
「いや・・・」
ホントらしくない。
今までのオレを知ってる修さんにしたら、そりゃからかいたくもなるよな。
「何、透子ちゃんとまだ会社で会えてないの?」
「はい。結局まだ・・・」
そう。
彼女はまだ気付いていないけれど、実はオレと彼女は同じ<R&Y>という会社で一緒なワケで。
「あっ、でも今日ようやく言ってたあのプロジェクトのリーダー正式にオレ決定したんですよ!」
「お~よかったな!樹、ずっとこの為に頑張ってたもんな」
「じゃあようやくそこで透子ちゃんと再会ってワケか」
「はい」
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