1.突然の始まり

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「それ新しい恋愛のカタチ?」 そしてオレはもう気持ちが抑えられないまま、気づけばそう彼女に声をかけていた。 「え?」 すると当然驚く彼女。 「いや、そういうの初めて聞いたから」 彼女に気付かれないように至って自然に。 「うん。私も初めて言った」 「何それ(笑)」 こんな急に話しかけられたのに、特に嫌そうな素振りもせずすぐに自然に返してくれた彼女。 そしてそんな言葉を返した彼女が可愛くて思わず笑ってしまう。 「だってなんか今更誰かと付き合うとか面倒だし、自分の時間とか無くなるの嫌だし、仕事も続けたいし、結婚とか到底考えられないし。だけど恋する気持ち?みたいなモンはさ、無くすと女性としてダメな気もして。だからトキメキだけくれる人。いたらなーって」 彼女のその言葉は何年か前の正にオレ。 誰かと付き合うのも面倒で、束縛されたりその相手のせいで自分の時間を奪われるのも嫌で。 だから当然結婚も考えたこともないし。 だけど彼女と違うところは、トキメキとかそういうのも特に必要だとは感じなかった。 彼女にあの日出会うまでは。 「あー、でもそれわかるかも。オレも特定の相手とか結婚とか面倒だし、でも誰かいてくれる楽しさは味わいたいみたいな」 そう同じ気持ちかのように返すけど、でも誰かではなく、今は目の前の彼女とならそれを味わいたい。 「いや、あなたとはちょっと違うような・・・」 そう。 オレは今目の前のあなたに対して興味を持って話をしてるだけであって、きっとオレのことを知りもしないあなたとはきっとその意味は違うはず。 「でも見た感じモテてそうだからそんな心配ないんじゃない? 周りの女性放っておかないでしょ」 へ~。オレのこと初めて会ったのにそんな風に思ってくれるんだ。 だとすれば、もしかしたら脈アリって期待してもいい・・? 「まぁ」 いくら女にモテてチヤホヤされても別に嬉しくない。 あなた以外はオレには面倒なだけ。 「でも、だからってそれで満たされて、本気になれるかっていうと別の話」 あなた以外オレの気持ちは満たされない。 オレにはあなた以外本気になれないから。
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