23人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
【3】
遼くんには大学の時、お付き合いしてる女の人がいたのだってわたし知ってる。
全部で何人いたのかはわかんない、というかもしかしたらわたしが見た一人だけだったのかもしれない。そんな話したことないし。
その一人は遼くんが家に連れて来た時に会ったことあるんだよね。会ったって言っても、擦れ違って軽く挨拶したくらいだけどさ。
綺麗で可愛い人だったな。
髪も服も、普通っぽいのにきちんとしててお洒落で。わたしなんかよりずっと、遼くんの隣に立つのにお似合いだった。
いやいや、小学生のわたしと比べること自体、彼女さんに失礼だってことくらい今なら理解してるよ。
でももう、わたしは小学生じゃない。まだ中学生だしやっぱり子どもには違いないけど、来年には高校生になるんだよ。
今ならわたしも、遼くんと並んでもおかしくない、よね?
現実には十八歳にならないと、ホントの、……えっと、そういう交際はしちゃいけないんだ。わたしじゃなくて相手の人が捕まる、って聞いたときはびっくりしたもん。
だってわたしの気持ちが遼くんの迷惑になる可能性があるんだ、ってことだから。正直ショックだったよ。
今日で十五歳。十八歳まで、あと三年もある。
最初のコメントを投稿しよう!