3人が本棚に入れています
本棚に追加
5.平凛の純潔
「実は私は、黒潮町の観光大使もしております」
「ま…まぁ、それも当然だわな…」
「ですので毎年、「シーサイドはだしマラソン」のイベントに呼ばれておりまして、私も、協力しているのでございます」
「そ…そうだったのか。頑張ってるな、平凛」
「ハイ。今年も呼ばれたのですが、今年はダンナ様と一緒に走りとうございます」
「な…なんだ、そんな事か。オレ一人じゃなく、家族や同僚も誘ってもいいか?」
「本当は…それはただの建前でございます…」
「ぇ?…」
「ダンナ様をずっと愛しておりました!」
と言った直後、平凛は自分が飲んでいたジュースを高々と自分の頭の上に上げたかと思ったら、それを一気に逆さにした!
「な…何やってんだ!何か…何か拭くものを…」
と探してみたが、何もない。あったのはオレのよれたハンカチだけだった…。
「着替えを…そだ!平凛の部屋に戻ろう!」
ウエイトレスには十分な金額を渡してエレベーターに向かった。
平凛がシャワーを使っている間、オレは広いリビングのソファーに座って、見るともなしにテレビを見ていた。
ドライヤーの音がバスルームの方から聞こえている。その時オレは、これはもしや巧妙なワナだったのではないか?と思った…。10年ほど前、オレは平凛を危なく抱きそうになったことが何度かある。あの時は確か平凛が中学生だった。
オレは自問自答してみた。歳は?23歳、OKだ。見かけは?超絶美女、OKだ!気持ちは?オレも可愛いとずっと思ってるし、愛されてもいる、超OKだ!これってフラグが立ったのでは…?
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤ…」
独り言を言い終わった直後、バスローブを巻いた平凛が現れた。
平凛はそのままダッシュでオレに突進してきた!受け止めたオレと一緒に倒れてしまい、ソファに並んで寝る形になった…。
平凛のバスローブは今のショックで前がはだけてしまっている…。当たり前だが下には何も付けていない。13歳の時とは格段に色々違っている。
オレは茫然と平凛に見とれてしまい、動けなくなっていた。平凛はオレの肩に左腕を絡め、グーンと伸びあがって顔と顔の位置を合わせた。
目の前5cmに平凛の顔がある…。奇麗な唇、ツヤのある頬、透き通った肌、憂いを秘めた目…。オレにはもう平凛の目しか見えてない状態だった。その場で平凛の身体を抱きしめ、唇を重ねた…。
オレは平凛をお姫様抱っこしてベッドに連れて行った。途中でバスローブがふわりと落ちた…。
彼女は紛れもなく初めてだった…。10年もの間オレだけを想い続け、オレのためだけに大切にしていたと思うと、愛おしくて仕方がなかった…。誰だってそう思うだろ?
最初のコメントを投稿しよう!