2033人が本棚に入れています
本棚に追加
「仲直り」
「……ルカは――――…… オレの側に居たいの?」
「どういう意味だよ?」
「――――……女の子、とか」
「ああ――――……さっきのか?」
ニヤニヤ笑うルカに、何だかちょっと、む、と口を噤む。
「勝手についてきてただけ。むしろわざと。お前、キースと楽しそうだし」
「…………」
く。
む……。
むかつく。ルカ。
……ん? キースと、楽しそうだったから?
…………キースと??
「――――……キースと楽しそうだから何?」
「オレと居ないくせに楽しそうで、ちょっと、むかついてたし」
嘘でしょ……。
「……ていうか、さっきの子達だけじゃなくて、ルカ、今までずっと、女の子といたんでしょ」
「ああ。お前が来る前?」
「うん。皆が、そう言ってるし」
「……つか、お前居なかったしな」
「――――……」
……ん?
「決まった奴いなかったら、別に良くねえ?」
「……」
オレって、「決まった奴」なの?
という質問が、浮かんで、でも何だか出せずに固まってると。
「――――……ソラ」
ちゅ、とキスされる。
「……っ」
だから、人が、いっぱい居るのに。
でも、この世界の人達、キス位全然気にしないんだよね……。
……外人さんか……。
――――……もういっか……。
オレが、力を抜いたら、ルカは、ふ、と笑って、オレのうなじに触れた。ぐい、と引き寄せられる。
「……っん……」
っいや、やっぱ良くないだろ、ディープなのは、やめて。
やだやだ、無理。
「暴れんなよ」
オレの抵抗を軽く防いで、クスクス笑うルカに、ここじゃやだ、と言うと。
「何? 誘ってんの? 2人きりになってこんな事したら、キスだけじゃとまんねーけど」
ぷ、と笑いながら、からかうようにそんな事、ルカは言う。
「……やっぱルカ、嫌い――――……」
言い終わらない内にぐい、と引き寄せられて。
めちゃくちゃ深く、キスされてしまった。
「……っン……っ?」
抱き込まれてしまったから、周りの人からは見えない、かも、だけど。
「――――……ん、ぅ…… んン……っ」
ぬる、と熱い舌が中を動いて、それからゆっくり、舌を絡め取られる。
抵抗――――……しようと思うのに、なんかもう、無理。
まわりが、とか、考えられなくて、ルカのキスで、いっぱいいっぱいになる。
「……っン…………っふ……っ」
急なキスがやっとの事で離れて、息を付いたら。
「――――……次、嫌いって言ったら覚悟しろよ」
「……っ」
抱き込まれたまま、そんな風に囁かれた。
なんか、むかつく、のに。
ルカの青い瞳がすぐ近くで、ふと笑むと、ものすごく綺麗に見えて。
ドキドキ、してしまう。
「あ。もう仲直りしてる」
リアの声がして、振り返ると、キースも来て。
「つーか、喧嘩、短くねえ?」
反対側からちょうど、ゴウもやってきた。
皆、近くで呆れたようにルカを見る。
「ルカ、酒買ってくるとか言って帰ってこねえから。どっかで荒れてんのかと思ったら」
ゴウが、真っ赤なオレを見て、クッと笑い出す。
「ソラが居ないとすげールカの機嫌が悪い訳。離れんなよな」
何も言わずルカを見上げていると。
ルカは、そこまでじゃねーし、とゴウに答えてる。
「そこまでだろーが」
ゴウが呆れたように追撃してると。
「ソラだってずっとしょんぼりしてたよねえ」
キースがそんな事をオレに言ってくる。
「……っ」
してない、しょんぼりなんて、してない。はず。
ぷるぷると首を振るけれど。
「ふーん……」
ルカが眉を上げて、面白そうにオレを見下ろす。
「…………っ」
すごく楽しそうなルカに。
何だか言葉を奪われて。
じっと見上げていると、ますます愛おしそうな顔、してオレを見て。
クスクス笑ったルカに。
クシャクシャと頭を撫でられた。
最初のコメントを投稿しよう!