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「エドほどの男前が、信じられない。で、どんな子だった?」とグレッグ。
「どんなって・・・・普通の女の子だよ。」
「そうじゃなくて、何処で知り合ったとか、髪の色とか。」
グレッグの目が何だか輝いている。こんな人のことを聞いて、なにが面白いっていうんだろう。
「彼女とは、僕が士官学校に居る時に知り合ったんだけど、同じ歳で、髪は・・黒髪。瞳の色は茶色だったと思う。あまり話さなくて、何を考えているのか分からないような子だったな・・」
「ヘエ~士官学校って大学と同じ、18からの入学なの?」
「うん。普通はね。だけど僕は、高校を飛び級して17で士官学校に入学したから。その時は2年生って事になる。」
「高校を飛び級したの?エドって、やっぱり頭良かったんだ。」
「そんなことはないよ。あの頃、結構飛び級する学生は多くて。多分、早く高校を卒業させて少しでも多く、艦隊仕官を養成したかったんだろうね。」
グレッグの顔を見る。
「で、グレッグ、君は?」
エドガーが、すかさず聞き返す。
「エ?僕?」
「そうさ、人のことばかり聞いて、自分のことを話さないのは反則だ。」
マークが頷く。グレッグは宙を見つめ、思い出すような素振りを見せた。
「僕は高校の時の同級生で、金髪碧眼の、すっごい美人だった。」
マークが可笑しそうに笑った。
「何?何か言いたいことでも?」
マークが尚も笑う。
「だってさ、それってエドみたいだ。」
グレッグはエドガーの顔を見た。そしてア~ァと溜息をつく。
「た、確かに。僕って、こういう顔に弱いんだろうか・・」
マークがまた笑った。
「で、マーク、君は?」
エドガーの質問にマークが咽たように咳き込んだ。
「俺?」
「そうそう。1人言わないのはこれまた反則だと思うね。」
エドガーにジッと見つめられ、マークは目をそらせた。
「俺の相手は、4歳年上の・・・・」
「エ~!?4歳も?」
グレッグの叫び声に、マークは彼の口を手で覆った。
「おい、声がでかい。」
「あ、ごめん。でも、4歳も年上の人となんて・・・」
声を潜めて尚も言い募る。
「彼女凄く魅力的だったんだ。」
「そりゃあまあ、16のガキに20歳の女性は、大人の魅力満載だったろうね。」
エドガーが、可笑しそうに笑った。
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