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序章.
人の世には古くから、『言語』が存在する。
その起源は、言語学、考古学、心理学、人類学等、広範に議論される話題である。
人の進化史において、どのように、なぜ、いつ、どこで? その答えは未だにない。
ことにこの日本に於いては、漢字、平仮名、片仮名、更には和式外国語とでも仮称できる様な『言葉』が混在する。
それらを巧みに使用し、時には略して使いこなす日本人の言語能力は、人類学的に見て、最先端の技術なのである。
それが、世界の言語の中で、最も効率的に会話し、表現する『言葉』、と言われる由縁なのである。
この『言葉』の能力は、しばしば『心の理論』と結びつけて考えられる。
心の理論(Theory of Mind)とは、人が他人の心の状態や目的、意図、知識、信念、志向、疑念などを推測する、心の機能のことを示す。
すなわち、何気なく、或いは意図的に使っている言葉から、その者の本質を知ることも可能と言われるのである。
加えて、その態度や仕草、挙動、反応等の動作から、その者の心状、及びその者の行き着く先を、読み解くことも可能なのかも知れない。
匠の時代から、最先端の効率化時代へ変貌したのは、産業社会と情報社会のみにあらず、日本の『文化』そのものなのである。
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