もう一度初めから

2/12
前へ
/177ページ
次へ
「澪ちゃん、久しぶりだね。あの結婚式以来だよね。澪ちゃんからお誘いを貰うなんて初めてで嬉しいわ。」 安藤の仕事終わりに合わせて、ホテル近くのカフェで待ち合わせをした。 「安藤チーフ、突然ですが、恋人との接し方について教えて欲しいの。」 安藤は私のあまりにも突然の言葉を聞いて、飲んでいたアイスコーヒーを拭き出しそうになっている。 「ちょっと、澪ちゃん!突然何を言うのかと思えば…恋人の接し方?」 安藤はケラケラと笑いながら話しているが、私はいたって真剣な表情をした。 「それはね…自分がしたいようにすればいいのよ。」 安藤の言っている事がよく理解できない。 「自分がしたい…どうしたいかわからないです。」 すると安藤は少しニヤニヤとした笑顔になった。 「ねぇ、澪ちゃんは、その恋人に触れたいとか…抱きしめられたいとか…何か思わないの?」 私は抱きしめるという言葉を聞いただけで顔が熱くなった。
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加