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安藤はさらにニヤニヤというよりニマニマという表情に変わった。
「ねぇ、澪ちゃんはその人に抱きしめられてどう感じたの?もっとして欲しいとかキスしてほしいとか…。」
「安藤チーフ!そんなキスして欲しいなんて…恥ずかしい事を言わないでください。」
安藤は私の顔をじっと見つめた。
そして大きく息を吐いてから話を始めた。
「澪ちゃん、私だったら好きな人に触れたいし、キスしたいし、抱いて欲しいと思うよ。でもそれは恥ずかしい事じゃなくて自然な事じゃないのかな?もしかして…西園寺さんの事なの?」
安藤から陽斗さんの名前を言われてさらに顔が熱くなった。
安藤はすべてお見通しのようだった。
「西園寺さんはきっと今までも相当モテる人だと思うけど、本当の恋愛はしてきているのかしら?私の経験では案外モテる男って、本当の恋愛を知らないのよね。女の方から寄って来るからそれで満足しちゃうのよ。案外恋愛経験は意外と少なくて、澪ちゃんとお互い様じゃないのかしら。」
さらに、何も言えず固まっていた私に話を続けた。
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