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決勝戦
俺は今、短距離走の代表選手としてスタートラインに立っている。流石に決勝戦ともなると、会場の熱気は盛りに盛り上がっていた。
宇宙一を決めるオリンピック。その名もコスモオリンピック。俺は百メートル走の地球代表として出場していた。
コスモオリンピックは、百年に一度開かれるスポーツの祭典。会場は太古から変わらない。
そこは『ケプラー1649c』と言う地球に似た系外惑星。はくちょう座の方角で、地球から三百光年先にあるという。
地球人が参加するのは今回が初めてと聞いた。他の選手は全員宇宙人だ。彼らは、数多の星から代表として参加している。あ、そうすると俺も宇宙人なのか。
これから決勝戦。俺はスタートラインに立っている。トーナメント方式で、勝ち残った四名が立つことを許される場所。
他の三人より先にゴールすれば、俺は宇宙一の称号を手に入れることが出来る。
「位置に着いて」
会場全体が静まり返る。
「よーい」
この試合を見ている全ての生き物が、恐らく息を飲んだであろう。
「どん!」
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