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「ねぇ、なんでわかってくれないの?ちょっとくらい、手伝ってくれてもいいじゃん」
「いちいちめんどくさいんだよ!」
彼は、そう言って自分の部屋に戻り鍵を締めた。
もう、最近こればっかり。
私達は、喧嘩ばっかりの生活を送っている。
離婚、という言葉は何度も頭の中に浮かんでいる。
しかし、母のことを考えると、今するべきじゃないと彼もわかっている。
私の母は、病気で今入院している。
そのため、母に迷惑をかけたくない。
ピロンッ
私のスマホの通知の音がなる。
〔心、大丈夫だった?今日は〕
私の事情を知っている唯一の友達、史からのメールだ。
〔ううん……。また喧嘩しちゃった〕
〔そうなんだね。でも、心の彼氏がそうでも私は裏切らないからね。安心してね〕
〔ごめんね。ありがと〕
〔でも……離婚したら、お母さんにも迷惑かかっちゃうし……。いつ、離婚したらいいんかな?〕
〔うーん……。お母さんの事が落ち着いてからのほうがいいかもね……。〕
〔そうだね。ありがとね〕
〔うん。〕
私はスマホの電源を切った。
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