機械化超短編フィクション

私は妻を好きなのか？

私は妻を好きなのか？

　世の中の同性は私にとって異性だった。世の中では私は男らしい。
　よく一緒にいる同性の友達にこの事を打ち明けると気持ち悪いと言われた。
　私は病気なのだろうと思い手術をした。
　手術後も経過を見る必要があるが、私は完治した。
　そして、私は女性と結婚した。それを機に、私はまた手術をした。
　妻との結婚生活はとても楽しく幸せだ。
　そういえばあの治療、私が女性を見た際の脳波を機械が感知し、快感物質を分泌する器官に微小な電流を送ることで、自分は女性が好きなのだと思わせるものらしい。
　要するに女性を好きだと思わせる機械が私の脳に埋め込まれたということ。
　最近個人を認識した時の脳波まで分かるようになり、私は妻の時のみ機械が動けば良いので、結婚時にも手術をした。
　妻は、あの時言ったことごめんと謝ることがあるが、私は今幸せだから大丈夫、気にしていないと言っている。
　そろそろ電池が切れる時期だ。妻を好きじゃなくなる前に経過を見なければ。