0人が本棚に入れています
本棚に追加
何かが壊れる音がした
何かが壊れる音がした
—どういうこと?何してるの⁉
ああ、ごめん、少し説明が長くなるんだけど。
昔、魂のあり方を箱、器であると考えた人達がいて、この箱というものは、古典制御理論でいうところの伝達関数に当たるものなんだけど。
伝達関数は、入力と出力の割合からその中身を調べる方法がある。
それでその人達はこんな実験を行ったんだ。
多くの人間に色々な出来事を、その、入力、して、そこで人間が出力した言動を、データにとる。
その頃、労働者不足だったこの国は、そのデータから人間の見た目をしたロボットを作り、労働者として利用するようになった。
人間と同じ見た目、同じリアクションをとるもんだから、人間は、誰が人間で誰がロボットか分からなくなってしまったんだ。
—だから、何だっていうの?
だから、知らないうちに周りはゾンビだらけだった。
もう何回も聞き飽きたよ、そのリアクションは。
おかしくなりそうだ。
だから全部を破壊している。
今度はお前の番だ。
最初のコメントを投稿しよう!