1-1 神に愛された男

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『この夏を先取り!!』と書かれた特集ページに、ソーダアイスをくわえてウインクしてるのがオレ。淡い金髪に、一房緑のメッシュ。紫のカラコン。オレのいつものトレードマーク。バッチリ撮れてんじゃん。 「マジで? さんきゅー!」  オレはカメラの前で見せるような最高の笑顔で応じてみせた。途端に、女の子達の間で迫り上がる黄色い声。ファンサファンサ。オレって超偉い!  花鏡(かきょう) 鴇真(ときざね)、通称トキ。宵櫻(よいえい)高校二年A組。  実家は華道の家元。ぶっちゃけ金持ち。でも跡を継ぐ気なんかねーし、七光りとかじゃなくて自分自身の力で輝きたいしってんで、現在は一人暮らしで雑誌の読モやってる。……まぁ、それだけだとあんま儲かんないから、カフェバイトなんかもしてたりするけど。  読モやってるくらいだから、勿論顔には自信がある。目尻の吊り上がった切れ長の瞳は、涼しげで色っぽいって評判。男らしいってよりも、綺麗系。和風美人ってやつだ。  学業成績だって(数学以外は)悪くない。(数学はダメだ、 眠くなる)この通り、女の子にもモテモテ。
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