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天はオレに何物も与え賜うた。オレこそが、神に愛されし男!
「花鏡! お前またそんな学校にジャラジャラと派手なアクセサリー着けて!」
不意に、廊下の先から怒声が飛んできた。――やべ、鬼松だ。
生活指導の松山センセ。四十代独身男性体育教師。何かとオレに目つけてて、小煩いんだよな。宵櫻は進学校ながらに生徒の自主性を重んじる校風で、校則緩めなのが売りだってのに。
「髪色は仕事に必要だっていうから許したが、装飾品は許可してないぞ! あと、そのカラコンもだ!」
「いやいや、松山センセ、今時カラコンなんて皆当たり前にしてるって!」
「お前のは色が問題だろう! とにかく、装飾品は外せ! 授業が終わるまで没収だ!」
「マジか!」
「どんまい、トキ」
「ウケる」
ちょ、女の子達! ウケてないで助けてくれよー!
しかし、オレの心の叫びは、誰にも聞き届けられることはなかった。
◆◇◆
「成程。それで今日はジャラジャラしてないのな」
「マジ、鬼松のヤロー。放課後職員室に取りに来いだってよ。超めんどくせぇ」
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