1-1 神に愛された男

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 天はオレに何物も与え賜うた。オレこそが、神に愛されし男! 「花鏡! お前またそんな学校にジャラジャラと派手なアクセサリー着けて!」  不意に、廊下の先から怒声が飛んできた。――やべ、鬼松だ。  生活指導の松山(まつやま)センセ。四十代独身男性体育教師。何かとオレに目つけてて、小煩いんだよな。宵櫻は進学校ながらに生徒の自主性を重んじる校風で、校則緩めなのが売りだってのに。 「髪色は仕事に必要だっていうから許したが、装飾品は許可してないぞ! あと、そのカラコンもだ!」 「いやいや、松山センセ、今時カラコンなんて皆当たり前にしてるって!」 「お前のは色が問題だろう! とにかく、装飾品は外せ! 授業が終わるまで没収だ!」 「マジか!」 「どんまい、トキ」 「ウケる」  ちょ、女の子達! ウケてないで助けてくれよー!  しかし、オレの心の叫びは、誰にも聞き届けられることはなかった。    ◆◇◆ 「成程。それで今日はジャラジャラしてないのな」 「マジ、鬼松のヤロー。放課後職員室に取りに来いだってよ。超めんどくせぇ」
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