2-7 誰かに食べて貰う手料理って、

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「花鏡の実家も金持ってるんだから、かえってあの方が自然だろ」 「そう……かもしんねーけど。そもそも、お前がオレを誘拐しなけりゃ済んだ話だろ!」 「お前の一人暮らしの理由って、家出か?」  急な話題転換に、少々面食らった。 「そう……みたいなもんかな。親父と、意見が合わないっつーか。読モになんの、めっちゃ反対されてさ」  訊いておいて九重は、「ふぅん」なんて、気の無い返事をする。何だよ! 「風呂。……お前、先に入れよ」 「へ?」  またもや唐突にとんでもないことをぶっ込まれて、オレの思考は一時停止した。  だって、風呂ってあの……スケスケの。 「いや、その……オレまだ、食休みしたいし? お前先入れよ。一番風呂は、やっぱ家主が入るべきだろ、うん」  あはは、と乾いた笑いで何とか誤魔化そうとする。風呂は正直、コイツが寝静まってからこっそり入ろうかと思ってた。もしくは、早朝、コイツが起きる前に。
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