2-8 透け透けバスタイム ◆

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2-8 透け透けバスタイム ◆

「いいか! 絶対見るなよ!? こっち見んなよ!?」 「それは振りか?」 「振りじゃない!!」  脱衣所の扉から、顔だけ出して九重に念を押す。九重はのらりくらり、(うん)とは決して言わない。  くっそ~! あの画像を出すのは卑怯だろ! てか、脱衣所の方はちゃんと透けてない壁があるのに、何で風呂場になると全面ガラス張りなのか、ここの建築デザイナー本当意味不明だ。  ぶつくさ文句を零しつつ、服を脱いでいく。とにかく、バスタオル巻いてこう。そんで隠し隠し洗って……後は湯船に沈んでれば問題ない。  そう算段をつけて一人頷いていると、外から九重の声が掛かる。 「あ、花鏡。タオルは浴室に持ち込むなよ」 「ちくしょう!!」  手にしていたバスタオルを思い切り洗面台に叩き付けた。今のも〝命令〟の内に入るんだろう。これじゃ、丸腰のまま出ていくしかない。心許なさすぎる。  ……あ、もしかしたら、湯気でガラス曇るんじゃね? だから、ガラス張りでも問題ないんじゃね?  そう思って、さっと風呂場に入ると、急いで浴槽の蓋を開けた。途端、ぶわっと広がる白い蒸気の塊。ふふん、これでどうだ!
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