258人が本棚に入れています
本棚に追加
声が出そうになって、慌てて自分の口元に手をやる。九重の手は、オレの胸元の突起スレスレの部分を何度も行き交った。わざと触れないようにしているのか、傍を通る度そこを意識してしまって、徐々に感覚が研ぎ澄まされていく。焦れったさに抗議するように、そこは存在を主張し始めた。――触れられてもいないのに。
ピンと勃ち上がって震える自分の鴇色の乳首から目を逸らして、オレは弱々しく訴えた。
「……胸、もういいだろ」
いつまで同じとこ洗ってんだよ。しつけーよ。……そういう意味で言ったのに、九重は「そうだな」と返した直後、いきなりオレの膨らんだ両の尖端を指先で押し潰した。
「あ……っ!」
大きな声が漏れた。身体に電流が走った。鋭敏になっていた神経に与えられた突然の刺激に、強い快楽を感じて目眩がした。
乱れた呼気もそのままに、オレは九重の方を振り向いて睨んだ。
「あ、洗うだけって!」
「洗ってるだけだろ? 一応お前に遠慮してそこは避けてたけど、お前がいいって言うから」
「ちがっ……」
最初のコメントを投稿しよう!