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脇に触れた時は、擽ったくて息を詰めた。いつもは、そんなことはないのに。見られてる――そう思うだけで、全身の神経が過敏になっていく。視線に舐られる。
実際に身体に触れているのは自分の手なのに、何だか次第に九重に触れられているような変な気分になってきた。視線を通して、オレの手と九重の感覚が繋がっていくような、そんな有り得ない想像が脳裏を過る。
「早いとこ泡まみれにしといた方が、見えづらくなるんじゃないか? ……そこ」
不意に九重が、助言とも取れるような発言を落とした。急な声掛けにびくりと肩を震わせつつ、九重の顔を見上げ、奴の視線の先を辿る。九重が注視していたのは、オレの脚の間に挟まれた、オレ自身だった。いつの間にか上を向き始めていて、先端がぴょこんと顔を出している。――また、触れられてもいないのに。
「っ……」
その自覚と、感じる恥部への視線に、首筋から背筋までをゾクゾクとした感覚が走り抜けた。意識したせいで、また少し先が持ち上がってしまう。
「安心しろ。胸を洗ってる頃から、既に反応し始めてた」
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