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何に対しての安心なんだよ、それ。たぶん、視線だけで勃った訳じゃないってフォローなんだろうけど。ろくにフォローにもなってねーよ。
そう文句を言ってやりたいのに、あまりの恥ずかしさに顔が火照るだけで、言葉を上手く発せない。パクパクと陸に打ち上げられた魚みたいに無駄に口の開閉を繰り返しただけに終わった。
「どうした? 早く全部洗わないと終わらないぞ」
このっ……悪趣味な変態ヤロー!!
上がる体温と吐息。熱さと羞恥で、じわりと視界も濡れてきた。そうだ、終わらせよう。早く。
九重の言うように泡のヴェールに包んで隠してしまえばいいのだとは思うものの、やはりいきなり自身に触れるのは躊躇われた。ボディソープを追加して、先に脚部の遠い所から洗うことにする。正座を横に崩し、足先から腿にかけて擦っていく。やっぱり、他人の手みたいでこそばゆい。膝の裏。腿の裏――何で裏側って、こんなに擽ったいんだ?
九重がわざとらしい感嘆の声を上げた。
「器用なもんだな。脚開いた方が楽だぞ」
うるせえ、放っとけ。誰がやるか。
ついでに臀部まで洗い上げると、今度は反対側に脚を崩して、同じように洗った。
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