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だけど、身体は言うことを聞かない。オレがそこを擦る度――違う、洗っているんだ――オレの雄は張り詰めて固くなっていく。その様を、まじまじと九重が観察している。絡み付く視線。見るな。見るなよ、こんなところ。九重に見られてると思うだけで、何だか――。
不意に先端から、石鹸とは違う白いものが滲み出した。それを、サッと泡で覆い隠す。
もういいだろ。もう許してくれ。軽く全体に泡を擦り付けると、オレはまだ腫れたままの自身から手を離した。
「終わり、だ!」
終わりだろ? 乞い願うように宣言する。しかし、九重は首を縦には振らなかった。
「まだだろ? 一番綺麗にする必要のある場所が、ちゃんと洗えてない」
「はぁ!? どこだよ!? 全部洗っただろ!?」
顔なら、歯磨きの後に洗っている。残っている箇所なんて、どこも――。
考えていると、九重が斬り付けるように告げた。
「脚……開け」
一瞬、何と言われたのか分からずに硬直した。数秒遅れて理解が及び、血の気が引くのを感じる。
「なっ、なんで」
「いいから、開け。命令」
「ぐっ……」
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