無駄ではない無駄話

3/6
前へ
/6ページ
次へ
 私は死地に赴こうとしていた。  侵略軍との戦いへの招集令状が届いたのは、一昨日のことだ。  行けばきっと死ぬ。それでも国のために戦わなくてはならない。敵は強力だ。一人でも多くの戦士が必要だろう。  ケインは、先の戦いで片足を失った。この戦いには参加できない。  だがこの男は、私が戦いに向かうのをとめようとしてくれている。  侵略軍との戦いよりも、国の平和よりも、私の命を大切に、私のことを大切に思ってくれているのだ。それが嬉しかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加