俺とステッキの話

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「私と契約して、魔法少女になろうよ!」 この誘い文句。ロクな目に遭わないことだけは知ってる。現実だろうと非現実だろうと。 現実なら頭のトンだヤベー奴だし、後者なら首が胴体とおさらばしそうだ。 ――さて、現実に戻ろう。俺は今、夜勤を終えて帰宅した。間違いない。この乱雑に散らかってるのは俺の部屋だ。 そんな俺は独り暮らし。家にも誰もいない。にも関わらず問いかけられた。そこまでならまだ良い。幻聴で無理やり済ます。問題なのは、 「もしもーし。聞いてますー?」 目の前の動くステッキだ。
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