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第十一話
「そか、じゃぁもうちょっと触らせて」
急に首にヌルッとした感触がして全身の肌が粟立つ感覚がした。舐められた？
そのまま首の後ろにチクッと痛みが走った。
噛まれた訳じゃない。なんだろう？
聞きたくて口を開きかけたら、彼が僕の耳を舐め始めた。
生々しい湿った音に耳を侵され、脳みその中まで入ってくるんじゃないかと錯覚する。
「いやぁっ！･･･んっ･･･やぁ･･････耳･･･んなぁっ！」
ダメだ･･･耳はダメだ･･･ゾワゾワして身体の力が抜けていく。
彼はやめてくれなくて、そのまま耳を甘噛みされて、ふーっと息を吹きかけられた。
「あーひな可愛い。俺のものにしたい。ねぇ、今日絶対に最後までしないから、それ触ってもいい？」
彼の目線の先には完全に立ち上がってしまった僕のモノ。
急いで両手で隠して腰を引くけど恥ずかしくて彼がいる後ろを向けない。
正直抜いたことはあるけど、溜まったら抜くぐらいな義務的感覚で今までやっていた。
でもさっき触ったこともない乳首をいじられて耳を舐められるだけで気持ち良くなってしまったのに、下を触られたらどんなことになっちゃうのか。怖い･･･
でも中途半端に熱が燻り始めてる身体はもっと刺激を求めていて、このまま身体を彼に預けられたらもっと気持ちいいこといっぱいあると思うと、顔が熱ってくる。
「痛くしないなら･･･」
「うん、とびっきり気持ちよくしてあげる、だから身体流して温まったら寝室行こうね」
そういって、僕の身体についている泡を洗い流して、あの広い湯船に向かった。
僕を前に抱え込むような形で彼は座った。
本当にすごい広いお風呂。
少し足をばたつかせて遊びたいけど、それよりも僕の息子が若干主張してるのを隠したくて猫背になる。温まったら寝室に行こうって、物凄い不完全燃焼の状態で放置されてるの、地味に辛い！
なのに彼はは余裕そうな顔をしているのがちょっと癪だ。
少しだけムッとした僕はぐいっと彼に体重をかけるように彼の胸に頭を乗せたけど、物凄く硬いものが僕のお尻に触れた。
え？勃ってる？？
「こーら。悪戯しない。何？なんでそんな驚いてんの。そりゃ俺も勃つに決まってるだろ、あんな可愛い姿見せられて勃たないなんて男が廃れるよ」
「そ･･･そういうもん？」
「あぁ、当たり前だ。それにしても一緒にお風呂入れるなんて嬉しいなぁ。ひなの肌は何処も白くてすべすべだな、腰も細いし、綺麗だよなぁ」
「僕はもっと筋肉つけたい」
「え？筋肉？」
「うん、僕ヒョロイし、もやしみたいだから･･･もっと筋肉つけたい」
「なるほど。じゃぁ、程よく筋肉つけような。ゴリゴリのマッチョはちょっとどうかと思うけど･･･」
「マッチョな僕は･･･ダメ？」
「う･･･うーん。マッチョなひなが想像できないんだよなぁ。否定するつもりはないよ、まぁ、どんなひなでも綺麗だから大丈夫だよ」
「うん、ありがとう」
別にマッチョになりたい訳じゃないけど、それを否定しないでくれる優しさは心に染み渡る。
彼は僕のこと綺麗といつも言ってくれる。１つでも好きになってもらえるところがあるだけ良いのかもしれないけど、少し複雑な気分だ。
そんなこと考えてるうちに刃はいつの間にか僕の脇腹を撫で始めていた。
「んふぅ･･･ふぅっ！くすぐったいってば」
「ひなは敏感だね。あーもう出ようか。保湿して寝室行こう」
ガバッと僕の腰を支えつつ湯船で立ち上がって備え付けのタオルで体を拭き、ささっと身支度して、バスローブだけ羽織って2人で寝室に向かった。
寝室に向かう際も腰に手を添えながらエスコートされているとこれからすることを意識してしまって恥ずかしい。
ベットに座ると、彼が僕の顎を持って上を向かせた。
「今更だけど本当にいいの？」
うん、本当に今更だね。焦らすだけ焦らされた僕のモノは既にずっと半勃ちの状態でうずうずしているのに。
「触られるのは嫌じゃないから大丈夫。でも･･･もし気になるなら僕は自分でトイレ行ってくる」
「いや、そうじゃないんだ。ほら･･･俺男だろ」
「それこそ今更だよ。僕はあなたのものなんでしょ。好きにしなよ」
「ふふっ、わかった。じゃぁ遠慮なく頂くよ」
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