指輪と眠ろう

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例え好奇の目で見られようと軽蔑されようと、何としても指輪を手に入れたい。 『指輪を贈りたい相手は男で、自分より身長も体重も足のサイズも大きい』 勇気を振り絞ってそう言おうとした時、蓮がいる場所とは違うショーケースの前にいた女性店員が突然声を上げた。 「まぁ、そうなんですか!」 「参ったな、照れますねー」 「お客さま、照れることではありません!素敵じゃないですか!」 「そう言ってもらえると心強いんだけど、いざ本人を目の前にするとね、これがなかなか」 女性店員が見上げるように接客している相手。 天然すぎて、意識せずとも誰とでも打ち解けてしまう。 美形のくせに当人の自覚は皆無、そのおかげで嫉妬したり落ち込んだり、感情の起伏が激しくなってしまう蓮の気も知らず のほほんと暮らしている男。 名の知れたジュエリーショップだというのに、襟ぐりが伸びた緩いトレーナーとデニムパンツでも平気で来店出来る奴。 ーー間違いじゃない、と確信する。 何故 広実が、ここにいるんだ?
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