指輪と眠ろう

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「男性でも女性でも、やはりサプライズは嬉しいですもの!」 「店員さん、話がわかってくれて助かるぅ。けど こんなに種類があると、どれがいいんだか」 ショーケースを睨みながら、難しい顔をしている。 「もう少し早くご来店くだされば、ゆっくりお相手の男性のお好みなどがお伺いできましたのに」 「えー、そんなものかな?指輪なんて買ったことないから、よくわかんなくて」 サプライズ?お相手の男性?指輪を買いに来た? まさかーー 「広実」 我慢が出来なくなって、とうとう名前を呼んでしまった。 空耳だと思ったのか、広実は不思議そうにキョロキョロと辺りを見渡した後 またすぐにショーケースの中に見入っている。 「広実、こっち!」 蓮の声が響き、広実だけでなく店内にいた全員の注目を集めた。 「これ、これがいいと思うんだけど」 恥ずかしい。 でも、この恥ずかしさより広実と自分が同じことを考えていた喜びの方が勝った。 広実は一瞬だけ目を見開いた後、ふにゃりと笑って蓮のところに歩いてきた。
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