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「ははー。数々の無礼、お許し下さいませ」
その場で土下座して謝った。
「何だよお前っ、マジ調子狂う! 別に土下座なんかしなくていいし!」
石井は焦っている。ケケ。爽摩グッズを人質に取るからこういう事になるんだよ。
「もういいから、飯行こうぜ。おでんなら、南千住だな」
引っ張って土下座の体制から起こしてくれた。やっぱ行くことはキャンセルできないのね。
あからさまに憂鬱そうに、いやーな顔をしておいた。
そんな私を見て、石井の顔は引きつっている。ケケ。早く私にちょっかいかけるのをあきらめろー。
爽やかモテ男には、私みたいな女は手に負えないぞー? なんてったってオタク人生二十年以上ですから。ナメちゃいかんよ――そうは思ったがしかし、相手も一筋縄ではいかないようだ。
『藍美の可愛い顔が見たいなぁ』
「そっ、爽摩っ!?」
なんと私の大好きな爽摩の声色を使って、私に攻撃を仕掛けてきた!
おのれ・・・・! 石井の分際で・・・・!
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