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「息ピッタリじゃん。二人、付き合ってんの?」
「はい」(石井)
「いいえ!」(私)
石井は軽く肯定し、私は全否定した。
「ちょっと石井、止めてよ! アンタと付き合っているなんて、微塵も思われたくないし!」
「藍美、辛辣ぅ」
あはは、と尾田さんが笑った。その横で諏訪さんも笑っている。
「ま、がんばれよ。俺も少し前までは石井の立場だったクチだから」
「頑張らなくていいし」
「藍美も頑固そうだな。千恵にそっくり」
「そうね。あんなに嫌がっていたのに、見事にモノにされた上に籍まで入れちゃったもんね。もしかしたら石井君と半田さんも正式にお付き合い、あり得るかも?」
「ははっ。どーだろ? 今の所見込みなさそうじゃん」
尾田さん夫婦は私と石井の事で仲良さそうにお喋りしている。
一緒にしないで欲しい。
ピリリリリ ピリリリリ
そんな風に談笑している時、諏訪さんの携帯が鳴り出した。
「誰? 男?」キラ、と尾田さんの目線が鋭くなった。「アイツ(オヤジ)じゃないよな?」
オヤジ・・・・? 一体誰のオヤジだ?
「違うわ。今の電話はまんちゃんよ。次のイベントの打ち合わせだと思う。ちょっとごめんね、電話してくる」
突如出た『オヤジ』というのはかなり謎ワードだったが、それよりも『まんちゃん』に『次のイベント』・・・・。もしやもしや?
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