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「ホント、仲いいなおふたりさん」
「止めて下さい! 私には推しがおりますから、石井は眼中にありません」
「ははっ。藍美は本当に辛辣ぅ。で? 推しって誰? 誰? 後、敬語いいよ。同じ年じゃん」
「そうですか。では、敬語は今後止めます」こほん、と咳払いして一呼吸置いた。「尾田さんは、推しという単語が解るんだ?」
「奥さんレイヤーだからね。色々教えて貰ったよ」
「成程。深い」
「で? 藍美の推しって? 紗々に居るの?」
野次馬根性で尾田さんが聞いてきたので、これ幸いと私はその話に乗っかることにした。オタクとばれても、別に構わない。痛い女だと紗々で思われている方が何かと都合がいい。爽摩愛を語ることにした。
「よくぞ聞いてくれました! 私が愛するのは、プラネットレインボーの爽摩というアニメキャラなのだ!」
誕生日月に推しキャラ限定のプレゼントで貰える、貴重な爽摩のイラストを見せた。声優の卵だから、ヘッドフォンをしてアフレコ中の真剣な表情。かー。鼻血モノです! これは貰って以来、ずーっと待ち受けなのだ。私の携帯は爽摩でいっぱいなのであーる。
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