2.挑戦者、現る!

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2.挑戦者、現る!

「トラックにぶつかった拍子に、異世界転生するのね」  教室から、所変わって中庭。  緒美と智夏もやってきて、チームSATOさんの四人で、仲良くお弁当タイム。 「ありがちな導入ね」  なかなか容赦無い評価の緒美。 「テンプレって言うのかな? そういう展開って」  智夏は、もう少し優しく言った。  と、そんな時だった。 「ねーねー沙弥ー。それはそうとなんだけどさー」 「あーによ、明穂」 「これってなーに?」 「これ?」  明穂はちょいちょいと上の方の何かを指差して、沙弥に問いただしていた。  それは……作品タイトル! 「ゆら中! ってやつ。な~んかさ。タイトル、前と変わってない? やたら長ったらしいタイトルだったと思ったけど、飽きたのかな?」 「ああ、あれね。あれはその……テコ入れってやつだよ。うん」 「テコ入れ?」 「そう。つまりは、前回で第一部完! ってとこ。第一部、風雲覇道編(ふううんはどうへん)完っ! てな感じにね」 「そうだったんだ~。……あ、待って。テコ入れってことはさー」  メタい話題が続く。  明穂は少し考えてから、言った。 「この流れ。唐突に新キャラとか、登場しちゃったりする感じ?」  明穂がお弁当のタコさんウインナーをお箸で摘まみながら、そう呟いた時だった。 「西野沙弥ーーーーーーっ!」  小柄でロングヘアなデコ出しの女の子が、どこからともなく、叫びながら現れたのだ。
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