2人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
2.挑戦者、現る!
「トラックにぶつかった拍子に、異世界転生するのね」
教室から、所変わって中庭。
緒美と智夏もやってきて、チームSATOさんの四人で、仲良くお弁当タイム。
「ありがちな導入ね」
なかなか容赦無い評価の緒美。
「テンプレって言うのかな? そういう展開って」
智夏は、もう少し優しく言った。
と、そんな時だった。
「ねーねー沙弥ー。それはそうとなんだけどさー」
「あーによ、明穂」
「これってなーに?」
「これ?」
明穂はちょいちょいと上の方の何かを指差して、沙弥に問いただしていた。
それは……作品タイトル!
「ゆら中! ってやつ。な~んかさ。タイトル、前と変わってない? やたら長ったらしいタイトルだったと思ったけど、飽きたのかな?」
「ああ、あれね。あれはその……テコ入れってやつだよ。うん」
「テコ入れ?」
「そう。つまりは、前回で第一部完! ってとこ。第一部、風雲覇道編完っ! てな感じにね」
「そうだったんだ~。……あ、待って。テコ入れってことはさー」
メタい話題が続く。
明穂は少し考えてから、言った。
「この流れ。唐突に新キャラとか、登場しちゃったりする感じ?」
明穂がお弁当のタコさんウインナーをお箸で摘まみながら、そう呟いた時だった。
「西野沙弥ーーーーーーっ!」
小柄でロングヘアなデコ出しの女の子が、どこからともなく、叫びながら現れたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!