洛城奇譚

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 今から千二百年の昔、後に日本の命運を賭けて対峙することになる二人の男児が、ほぼ時を同じくしてこの世に生を受けた。  一人は流罪人の子として、また一人は名門貴族の子として。時に弘仁十三年(822年)、歴史上では天台宗開祖の最澄が入滅した年として記憶される年の事だった。
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