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一生懸命勉強して、皆んなのリーダーになって、必死で自分磨きをして大きくなったんだよ。
やっとの思いで、中学部に上がって来たの。
それなのに、同じ土俵に立つことも出来なかった。
せめて、もう少し早く生まれていたら…
グズグズして、中々プロポーズしなかった過去のお父さんを、この時ばかりは恨んだ。
お父さんがもっと早くプロポーズしていたら、私ももっと早く生まれたのに!
そして、あっという間に2人は卒業していった。
もちろん、進学先は2人同じ。
叔父の母校である、H大だった。
もう、学園に彼らの影は全くなかった。
あれは初恋。
ハンサムな王子様に憧れていただけ。
自分にそう言い聞かせて、私は学校生活を楽しんだ。
勉強もクラブ活動も生徒会も、何事にも全力で取り組むのが、私のポリシー。
失恋しても、そこは変わらなかった。
奉仕活動だって、積極的に参加した。
高校に入って、周りには続々とお付き合いする人が増えても、私には縁のないことだった。
別に、理人くんに想いを残しているわけじゃない。ただ誰に対しても、理人くんに感じたようなときめきが持てなかっただけ。
もう、信者のミサでも殆ど彼の姿を見ることはなかった。きっと大学生で、色々と忙しいのだろう。縁のなかった人だと、そう思っていた。
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