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高校三年生。
内部推薦で系列の女子大進学が決まった少し後、私は学内のクリスマスミサに、神父様のお手伝いとして出ていた。
このミサで私がお手伝いをするのは終わり。
卒業間際の感謝ミサでは、代替わりする。
そして私は感謝ミサが始まる前に、元生徒会長として、生徒や保護者、お世話になった先生方に、代表の挨拶をすることになっていた。
この1年は、私と、高1になった妹の恵(めぐみ)の姉妹で、神父様のお手伝いをしていた。
妹も私と同じで、母譲りの色素の薄さを受け継いでいる。
でも、私の髪はストレートで、父親似。
対して、妹は少しウェーブがかかったようなフワフワの髪質。そして小柄。母にそっくりで、ゆるふわという言葉がピッタリな、天使みたいな女の子。
それだけじゃない。
メグは中身も優しくて可愛くて、本物の天使だった。私の自慢の妹だ。
「お姉ちゃん、今日で最後だね。」
「本当。中々感慨深いものがあるわよ。
ずっとお手伝いしてきたからね。
感謝ミサからは…賢人が入ってくれるのかしら?」
「うん。賢人くんだよ。」
「…なんか、めんどくさい事になりそうね。
鉄平辺りが…。」
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