もう少し、君と二人っきりで過ごしたい。

5/12
前へ
/12ページ
次へ
 ――次第に。  彼は少しずつ笑ったり感情を見せたり、面白がったり、怒ったりすねたりするようになった。 「元々の設定では魔法学を探求していたからね。せっかくだからもっと研究をしよう」 「そうですよ。そうだ、研究所を作りましょう。図書館とか、研究室とか」 「君! 朝と夜を自分で作った割には夜ふかしがすぎるぞ!」 「あはは……夜、日記を書き始めたら夢中になっちゃって」 「日記?」 「この世界に来てから毎日の記録です。いつか読み返したら楽しいと思います」 「――君、起きなさい。森でひな鳥の泣き声がする。この世界で初めての新しい命だ」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加