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しかし一方の涼はクラスメートとの話に夢中になり、熱が入り始め――…
「ここでもう一丁、…バック転!」
と、机と机の間でバック転を決め、パッ! とポーズをした瞬間、
「きゃっ!」
ずるり、と腰骨に引っかけていたズボンがずり落ちた所を、更衣室で制服に着替えて戻ってきた女子にキャラパンを思いっきり見られてしまった。
「今どきラーメン柄のパンツってどーよ!」
「バッカでぇ~!」
「るっせぇな、どんぶりに入れて三分待てば食える食いもんバカにすんなよな!」
アイラブインスタントラーメン! と続けて言いながらパンツ一丁の格好で胸を張る涼だったが、教室の戸口で学級委員長が冷ややかな眼差しをして腕組みしていることに気がつき、目を向ける。
「…んだよ」
「馬鹿騒ぎして気が済んだか、ガキが。…早くその粗チン隠しやがれ、目障りだ」
女子にしておくには勿体ない、とここ数ヵ月の付き合いながらクラス全員の男子たちに目された委員長の痛烈な一言に、涼だけではなく男子のほとんどが股間を縮み上がらせ肩を竦め、すごすごと身支度を整え始める。
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