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中学生の頃、高校生になれば彼氏は自然にできるものだと凛は思っていた——。
小川凛——高校二年生。ショートボブ、くっきり二重のぱっちりとした目に端正な顔立ちの少女は、その見た目とは裏腹に、「不思議ちゃん」と男子からは言われていた。
小川凛の家はごく普通の中流家庭。自宅の庭や、玄関アプローチは、いろいろな植物で飾られていた。園芸が母親の趣味だった。
凛は、庭に咲く赤いアネモネの花を摘んだ。
春を代表する花のひとつ、アネモネ。
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