ペットを【山田太郎】に変身させてみた

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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ……あっさりと、事態は急転した。 「あ”あ”あ”、あ”、あ”っあ。わ”ああああああああああああああああああああああああああ」 「ひっ」  突然、雄たけびをあげる【山田太郎】。  どうやら、サルテの我慢が限界を突破したらしい。  ビビる細谷がひるんだ隙に、サルテは窓を映画俳優のようにぶち破った。 ――ガシャン! 「わ”ああああああああああああああああああああああああああ」  ガラスが割れる。ペットが脱走しないように、且つ防音機能に優れた、特別分厚く重い窓ガラスが、まるで紙のように呆気なく粉々に砕け散る。 【山田太郎】の姿のまま、雄たけびを上げて夜の街へと逃走する愛犬。  外から悲鳴が上がり、ややあってパトカーのサイレンが鳴り始める。  こんなに騒ぎになったのだ、言い逃れは難しいだろう。 「あ、あぁ」  細谷はゾンビのように呻いた。  下手に頭がいいからこそ、自分がこれから降りかかる事態が想像できて恐怖する。  もう駄目だ。おしまいだ。  警察が訪れるまで、細谷は頭を抱えた。
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