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丁寧な物言いを残し、見ようによっては中学生……とも思えた彼女は、受付台の後ろにまわり込んでいった。
おそらくアルバイトなのであろう彼女は、外から帰ってきたのか、それとも《staff only》のプレートが貼りつけてあったアルミのドアから出てきたのか……。
八年ほど前の過去に深く浸りきっていたゆえか、意識はそんな現実をまったく拾っていなかった。
なににせよ、スタッフであろうとも、ほかに人がいる状態で、この最後にまわってきた写真を見続けるのはどうもはばかられて―――。
また、甦らせていた興奮のために、知らず濡らしていた股間の不快さ、そして、それがばれてしまうのではないかという一抹の不安も手伝って、
「あの……どうもお邪魔しました」
伏せ気味の顔で彼女の前をすぎると、すかさず傘立てから折り畳みを引き抜いた。
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