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この人のお陰で俺は…一命をとりとめた…っていうのは少し大げさだけど、
ほんと、助かった…
何せ、脚の出血がひどくて…結果的に縫うことになった…
さすがに自力では普通に回復できなかったと思う。
それから5年…。
あの頃まだ、やんちゃなガキでしかなかった俺は、少しだけ大人になった。
んで、今日はあの時の恩返しのために、この家…もちろん探し出すのに苦労はしたが調べ抜いて、やっと青野爽の家にやってきた。
俺のこと、覚えてくれているといいけど…
『ぴんぽーん』
とりあえず一度だけ、ベルを鳴らす。
「はい。」
ドアがあっさりと、開く。当然まだ、半開き。
…んんん?…そんなにすぐに開けていいの…ドア。
人間界って最近まあまあ物騒だって、聞いて来てんだけど…
もう少し、のぞき窓で見るなり用心したらって思ったけど、まあいいか…。
目の前に、帰宅したばかりらしきスーツ姿の、5年経ってもやっぱり爽やかな、青野爽。
そうそう、こんな顔だった…男にしてはやけに綺麗な…
俺は奴をしばらく、見つめ続けた。
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