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今まで出会った女はこの俺の極上の笑顔で、たやすく俺の手に落ちたものだ。
「あ…あの…すみません、本当に意味が…よくわかりません…きっと、人違いだと思います…あの…俺…ちょっと用を思い出したので…」
あれ…コイツは俺の笑顔に、なぜか惑わされない…
そればかりか、爽やかな青野爽の目に、明らかに動揺の色が走る。
「いやいや、人違いじゃねーって…青野爽…さん、ですよね。覚えてますもん、間違いなくあなたでした。」
「いえいえ、絶対に、違いますよ、きっと人違いだ…。
怪我の人を助けた記憶なんて、本当にないんです、すみません。失礼します…っ」
ドアを即座に閉めようとするので、咄嗟に手が…いや、脚が出た。
ガチャ…ドラマに出てくる刑事みたいに、足を挟んでドアが閉まるのを、物理的に止める。
ビクンと肩を震わせ、驚いた表情を見せる青野爽…
あ、…もしかしてこの動作…やっちゃいけないパターン…なのかな…?
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