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7.合格を目指せ! 潤子の計画
エマが応募して一か月後、妙快製薬から一次審査をパスしたと知らせがあった。エマは結果を潤子に知らせた。
「轟さん、おめでとう。すごいわ。今SNSで話題になっているのよ。全国から一万人以上応募があったんですって。一次審査の合格者はたったの五十名で倍率二百倍を勝ち抜いたのよ」
潤子がエマの手をとって喜ぶと、他のクラスメート達は遠巻きにして二人を見ていた。
エマの高校からもコーラス部のゆかちゃんなど何人かが応募したらしい。
でも、一次審査を通過したのはエマだけで、エマは一躍時の人となった。
クラスメートは急にエマに親切になった。エマは突然優しくされて困惑した。
一次審査を通過した応募者五十名の歌声は、妙快製薬のHPで聞くことができる。二次審査は好きな歌声に投票するネット投票だ。
最終的には、投票結果の上位十人の中から、音楽プロデューサーのてんぐ#さんが五名を選ぶのだ。
少なくともトップテンに入らなければ、二次審査は通過できない。
潤子はエマを自宅に誘った。
「二次審査をパスする戦略をたてなくちゃ」
エマは親戚以外の誰かの家に行ったことがなかった。
潤子と一緒に下校する姿を全校生徒が見ている気がした。
緊張しすぎて胃がとびだしそうな気がした。気さくに話しかける潤子にエマは首を縦か横に振ることでしか答えられなかった。
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