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episode.1
タッタッタッタ...
「せっ先輩!お、お話があります!」
「えーと...、誰?」
「1年A組!白崎真依と言います!」
「...白崎さん?それで、俺になんの用事?」
「...!そ、それは...」
「あ、告白ならもちろん断るよ。俺、君のこと全くキョーミないし。」
「...えっ?」
「あ、告白だったんだね。断るから、またどこかで。」
...
「それが、二年前の最悪の振られ方。」
「へぇ〜。その先輩、ひどいね。」
「そうだよ!」
「でもさ、振られたのには、真依にも非があるんじゃない?」
「え、何?」
「だってさ、名前も知られてなかったんでしょ?それってさ、真依が自分から知ってもらおうとしてなかったからでしょ。」
「あ...、たしかに。私、知ってもらおうとしてなかった...。」
「まずは、自分のことを知ってもらうのが一番なのに...。はぁ...、何やってんの。」
「べ、別にいーじゃん!もう、過ぎたことなんだし!」
「そりゃ、そうだけど...」
私、白崎真依!公立の清水みなと高校に通う、高校1年!
今は、過去のことを話していました。隣りにいるのは、高校生になってから出来た親友・美南水以(すい)!超美少女で入学したときから話題の的。
「ねぇ、真依。」
「ん?何、水以?」
「何でさ、自分がモテてないのに気づかないの?」
「...はぁ!?私がモテてるわけ無いじゃん!なら、水以はどうなの!?水以、すっごい美少女じゃん!すごいモテてるの、気づかないの!?」
「私は、うっすら気づいてるから。真依さ、もうすでに13回くらい告白されてるでしょ?いい加減、自覚しな。」
「も〜、だから!あれは気の迷い!」
「そんなんじゃないと思うけどなぁ...。それじゃ、せっかく告白してくれた人に失礼だよ!今まで告白してきた人、真依に振られた時、泣いてたんだよ!?」
「...え?泣いてたの?」
「そうだよ!私、こっそり見てたからさ!真依に気づかれないように泣いてたんだよ!」
「...そんな...」
「気の迷いなんかじゃない!」
「そっか...。うん!そうだよね!」
「分かったみたいだな。」
「うん!」
「...ていうかさ、ぶっちゃけ、今好きな人いる?」
「ううん。いない。」
「だよねぇ...」
「うん。」
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